Kazumi Takigawa
waxed canvas products.
瀧川かずみ
1986年生まれ。多摩美術大学にて彫刻を学ぶ。
彫刻制作の過程で蝋引き鞄が生まれる。2011年より鞄の制作を開始。
コンセプト
クラフト紙で出来た簡素な紙袋を、長期使用に耐えうる素材に置き換え再現した鞄。
大量の紙が日々生産され、消費されています。それはその物が簡易的な使用を目的としたものである場合が多く、それらには紙という素材が適していたからです。紙袋もまた、物を運ぶ道具として優れたデザイン※でありながら使用は一時的であり、消費され続けます。その優れたデザインを生活の中で、より長く愛着の持てる物として素材を新たに、大量生産とは正反対の方法で作りかえました。
※長方形の紙を折り重ね形作られる事によって、底面が強化され、重い荷物にも耐えうる機能的な構造。
染色
クラフト紙の色を再現する為に、鞄の素材である帆布に紅茶やコーヒーで染色を施しています。染色に使用する素材もまた、日常に身近なもので日々大量に生産され消費されるものです。それはコンセプトにおいて、染色においても適していました。
蝋引き
鞄の一番の特徴は蝋引き加工に あると思います。鞄本体の帆布に蝋引きを施した事で、紙のハリ、折れや擦れで生まれる風合を再現し、布の強度も高めています。また2種類のワックスを配合し強いハリと柔軟性を持たせています。
取扱い
使い続ける事で、折れや擦れによって白い線が全体に入ってきます。それらを消すには、その部分に軽くアイロンを当てるか、ドライヤーの熱風を当てる事で表面の蝋が溶け、白い線を消す事が出来ます。
また、馴染んで柔らかくなってきたら、鞄を上下オーブンシートに挟み、その上から高温のアイロンをゆっくりかける事で、冷めると元のハリのある状態に戻す事が出来ます。
色落ちの可能性、蝋引きの風合が損なわれる場合がある為、水洗いは避けて下さい。汚れた場合は、固く絞った布巾で全体を拭いて下さい。雨などで濡れてしまった場合は、乾いた布で表面を拭き、陰干ししてからご使用下さい。
夏場の高温になる車内に長時間放置するのは避けてください。タンブラー乾燥、暖房器具の近くや火器そばでの放置は厳禁です。ロウが溶け出る可能性がございます。